上司は同期の出世頭だった。その仕事ぶりや頭の切れの良さ、細かいが的を得た指摘は憧れだった。

最初のうちは憧れの人との仕事は誇りだったのに、やがて自分との実力の差についていけないくなった。仕事に集中できなくなった。やらねばならない事をダラダラと後回しにして、やらなくてもいい仕事やネットサーフィンで時間が過ぎた。

遅れを指摘され、クレーム対応や問題対策に走り回っていた。俯瞰して事態を把握すればあたふたすることないのに余裕がなかった。上司に媚びて言いたいことが言えなくなった。自信喪失していった。家庭では子守に翻弄されていた。すべてが空回りだった。

そんな時にネットビジネスを推進する新規部門ができて増員するメンバーを社内募集していることを知った。上司に内緒でこっそり応募した。