発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法」のトム・ケリーの新作「イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材」を図書館でやっと借りることができました。予約が何人もつまっていたのです。「発想する会社!」には、イノベーションを起こすヒントがいろいろ書かれていて、感激しました。いくつかは自分も試してみたりしました。このブログのタイトルに「発想する」を入れたのも、この本の影響なのです。新作は、イノベーションを起こすために必要な役割を10種類のキャラクターに分類して整理されて説明されています。

1)人類学者:Anthoropologist 

観察。IDEOのイノベーション事例でよく語られる、ユーザーを観察することで新しいアイディアを見つけるというやつです。"IDEO WAY"のひとつ「イノベーションは観察から始まる」

2)実験者:Experimenter

試作。Sonyがイノベーターであったころ、新しいコンセプトの商品はすぐ試作品を作ることができた。その力が数々の成功を導いたと聞きました。

3)花粉の運び手:Cross-Pollinator

異文化交流。これは少しわかりにくですね。他家受粉の種ということで、こんなことが書かれています。

・発表会をしよう
・さまざまな背景を持った人を雇おう
・議論が巻き起こるよな空間をつくろう
・さまざまな地域のさまざまな文化を取り入れよう
・週に一度のノウハウ講演会をしよう
・客人から学ぼう
・多様なプロジェクトを進めよう

いいですねえ。

4)ハードル選手:Hurdler

高い目標。ゴーンさんの著書にも、ハロルド・ジェニーンの「プロフェッショナルマネジャー」のもあったと思います。目標は高く設定することが肝要です。

5)コラボレーター:Collaborator

共同生活。サムスン電子が製品のデザインを洗練するために、IDEOに業務委託した際に、サムスン電子のデザイナーがIDEOに在中して一緒に仕事を進めたと聞きました。

6)監督:Director

イノベーションを推進する監督。有能な監督とは
・舞台の中央を他人に以上する
・新しいプロジェクトを見つけるのが好き
・難局に対処できる
・高みを目指す
・大きな道具箱を使いこなす(使えるものがあれば何でもつかう)
と書かれています。

7)経験デザイナー:Experience Architect

顧客の経験価値。今商品やサービスに求められているのは、すばらしい経験、体験。

8)舞台装置家:Set Designer

仕事部屋を素敵に!場所の持つ力。
いかに、クリエイティブな環境をつくるか。

9)介護人:Caregiver

顧客のニーズを察知。ホスピタリティかな。

10)語り部:Storyteller

物語れ!

イノベーションはひとりでには起こせない。適切なチームが必要。10個のキャラクターをすべてみかたにつければ、イノベーションは起こせる。

毎日の業務に追われていてはだめですね。たまにブレインストーミングをやってみても、新鮮なアイディアは出てくるはずがない。イノベーティブな環境、雰囲気を用意していかなければいけない。それはマネジャーの役割であります。どうも最近固くなってきています。よくない。メンバーの特性を見直して、10個のキャラクターを探してみたい。そして場の設定をしようと思います。

我々のエンジニアチームでも、10%ルール(20%にできないところがつらいところです。)を導入しようとしています。



●DESIGN IT! w/LOVE(棚橋弘季さんのブログ)
http://gitanez.seesaa.net/article/38271433.html

●esaka takeru's memo(江坂健さんのブログ)
http://edit-real.com/esaka/archives/2007/04/post_530.html