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20年ほど前に、会社の調律師の学校で調律を少しだけ習ったことがあります。ピッチの調整だけでしたが、チューニングハンマーがなかなか止まらない。うまくあっても弾いているとすぐにずれてしまう。ピアノの調律師には尊敬の念が耐えません。そんなピアノ調律師のお話です。

北海道の山奥で育った主人公が、学校のピアノの調律に立ち会って、調律師になりたいと思う。本土の調律師の学校で勉強して、北海道の楽器店で調律師になる。新米調律師としての日々の葛藤が淡々と描かれている。とても静かで美しい文章です。一途で純粋でブレずに夢を探しながら生きていく青年。自分の若かりし頃を振り返って、そんなことが自分にはあっただろうかと思いました。

タイトルの羊と鋼の森がピアノの事である事は本を読むまでは気がつきませんでした。羊はハンマーのフェルト、鋼は弦、森は林立するチューニングピンからのピアノの象徴。2018年には映画化されるそうです。主人公役は山崎賢人さん。ぴったりだと思います。