image


高校の同窓会があった。還暦の歳なので200人が集まった。最初は誰が誰だかわからない。受付で名札を渡されて、みんな首から下げている。名札を見て確認をしあう。1976年卒なので41年ぶりだ。それでも何人かすぐわかる人がいる。見た目がほとんど変わらない。まったく変わってしまって思い出せない人もいる。それでも話してみると思い出す。見た目が変わっても声はあまり変わらないのだ。悲しいことに、1クラスに3〜4人は亡くなっている。何人かは連絡が取れず、行方不明。

話していると昔の思い出が蘇る。記憶が人によって大きく違う。話し相手はよく覚えていても自分はまったく覚えていない話。自分がよく覚えていても相手はぜんぜん覚えていない話。人の記憶なんてそんなものなんだな。そんなことあったっけとか、そうだそうだとか盛り上がる。男子からも女子からも、君付けで呼ばれるのが新鮮だ。

話していると友人たちの性格はあまり変わっていないなぁと感じる。見た目は変わっても学生のころの雰囲気はけっこうそのままだ。目立っていた人はやはり目立っている。おとなしかった人はおとなしい。話しぶりは昔のままだ。

見た目は歳をとったけど、気持ちは学生時代に戻った。若返った感じがする。あの頃のワクワク感が蘇る。ときめいていた人と会話すると照れてしまう。同窓会は人を若返らせるかもしれない。それでも、40年の時はたった。卒業してからそれぞれの40年の人生がある。それぞれの人生がどんなものだったのだろうかと興味深く思う。