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雪の朝、早起きをして東京神保町の一橋講堂で開催された情報処理学会主催「ソフトウェアジャパン2018」の「サービスサイエンスフォーラム」に出かけた。

社会のサービス化が進み、日本のGDPも75%はサービス産業が稼いでいるが、生産性は製造業に比べて低いまま。そこで製造業の科学的アプローチをサービスにも適用して生産性の向上を図る動きとして「サービスサイエンス」が出現した。サービスサイエンスフォーラムはサービスに対する科学的アプローチや今後の方向について事例をベースに議論している。代表のワクコンサルティングの諏訪良武さんには、私が以前ハイブリッドビジネス研究会という事業企画や新規ビジネスを担当していたマネジャーによる私的な勉強会に参加していた時に講師としてお招きしたことがある。当時はオムロンでのカスタマーサービスの改善について革新的なお話を伺った。

今回のフォーラムは、「サービスの価値を高める」というテーマで、プロセスマネジメントについてエル・ティー・エスの山本雅樹さん、製薬会社が製造からサービス業へ導入して成功した事例をB2Bhack.comの飯室淳史さん、エンゲージマネジメント型カスタマージャーニーについてISラボの渡部弘毅さんが講演。その後諏訪さんも交えて4人でパネルディスカッションをした。

元GEから独立してコンサルタントになられた飯室さんには、知人経由でFacebookでつながっていたが、ご本人にお会いしたことがなかったのでお会いして、お話を聞くことができて嬉しい。

飯室さんの「製造業はサブスクリプションモデルの夢を見る」という言葉は元メーカー勤務としては共感するところ。売るまでが仕事である場合と売った後の継続利用まで仕事である場合とで、マーケティングの考え方がまったく異なる。顧客の課題を知るには聞いてはいけない。なぜなら顧客はそれが問題であると認識していないからだ。ではどうするか?プロセスを観察することだという。観察から課題をみつける。そしてその課題解決のサービスをサブスクリプションモデルにして提供していくのだ。それは渡部さんのいうエンゲージマネジメント型カスタマージャーニーで施策立案ことにも通じる。つまり売った後もロイヤリティを上げるために顧客の体験価値を高めていく施策をジャーニーを描いて考察し、観察し、共有し、顧客に対して、一貫性のあるサービス施策をしていくことだ。

2018/02/02