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インプットを続ける。先週の【定年後日記182日目(木):セミナー「キャッシュレス社会」】(http://kurakakeya.livedoor.biz/archives/52135168.htmlに続いて、日経クロストレンドフォーラムの初日に出かけた。

東大の松尾豊先生による「ディープラーニングの先にあるもの」と題したAIの現状と今後さらに日本の可能性についての話。20152月に画像認識が人間の精度をこえて急激に進歩したそうだ。「眼の誕生」により子どものできることがロボットAIでできるようになった。「モラベックのパラドックス」と言って、子どもができることほどロボットには難しかったのだ。簡単なことほど人はうまく説明ができず、従来のルールベースのAIでは処理できなかった。とてもわかりやすい解説だった。

次はオイシックスドット大地の奥谷さん、ABEJAの小島(おじま)さん、リノシスの神谷さんによる「AmazonGoの衝撃」と題したパネルディスカッション。神谷さんは元スカイラークでデータ・ドリブンマーケティングを実践された方。AmazonGoの脅威は自動精算とかではなく、入り口でリアル店舗の入店者を選別すること。購入に至るまでの行動を記録すること。そしてAmazonは、やると決めたら徹底してやりきること。どこまでAmazonは攻めてくるのか?小売は注視しなければならないだろう。

資生堂はまったく新しいパーソナライズソリューションを開発した。Optuneという女性の肌状態を測定して最適なスキンケアを専用のマシンで調合して提供するサブスクリプションモデルの商品だ。スマホアプリで撮影する肌状態と、その時間の気象などの外部環境、マシンに入力するその日のメンタル状況、生理周期から独自のアルゴリズムで3つのセラムと2つのモイスチャーライザーをミックスして一回分の最適量を提供する。大手でもこうした新しい取組みがオープンに始まっているのは心強い。

リクルートは社内にAI間連技術の活用のためのR&Dチームがある。リクルートのビジネスモデルは「生活者と企業をマッチングさせる」こと。2013年にHadoopを導入してメディアデータを集結した。これを機に画像分析にディープラーニングを応用してから、特化型AIとして活用が始まった。「じゃらん」ではチャットボットで定型化できる問い合わせに24時間対応できるようにした。「カーセンサー」では画像分析を使ってユーザが撮影した写真から中古車を検策できるサービスを導入した。リクルートらしいのは、誤診断を逆手に取って、「#カーセンサーチャレンジ」としてSNS活用したこと。このおかげでアプリのダウンロードが一気に伸びたそうだ。さらには機械学習による原稿の誤字脱字検出エンジンを開発して作業効率をあげたという。すばらしいAI活用だと感嘆した。

2018/06/18