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顧客コミュニティを考える。


2001年にネット活用の新規事業プロジェクトに参加して、オンラインコミュニティの構築に携わった。


当時のコミュニティ機能はいわゆる掲示板である。掲示板はパソコン通信時代にはオンラインコミュニティの中心であった。掲示板のシステムをオリジナルで開発してオフィシャル掲示板を実装した。しかしながら誰も投稿などしてくれない。そこで見つけたのが掲示板運営の外部委託だった。コミュニティリーダーとサクラの投稿者を立てて、オフィシャル掲示板を活性化してもらった。そうすると少しずつユーザーの投稿も増えて、顧客コミュニティとして成立した。さらにユーザー間のつながりが広がって自走し始めた。参加者が増えればトラブルも発生して、運営会社はトラブル対応が主な仕事になった。


さらに、参加者が増えてくると、一つの掲示板だけの運営は難しくなって来た。さまざまな要望やテーマに対応仕切れなくなって来たのだ。とはいえ複数の掲示板を作れば、運営費用が増してしまう。そんな時、mixiがサービスを始めて、ソーシャルメディアという形態が産まれた。


mixiに魅了されて、自社のオンラインコミュニティにも、その要素を取り入れた。オフィシャル掲示板は終了して、mixi同様に、ユーザー自身が自分のテーマで、掲示板が作れるようにした。掲示板の運営はユーザーに委ねた。オフィシャル掲示板とは違ってオンラインコミュニティの規模は小さくなったが、さまざまなテーマの掲示板が作られて、運営者が熱心な掲示板は活発に会話をしていた。


ソーシャルメディア機能の実装でオンラインコミュニティとして、このサービスは成熟していったが、課題は運用費であった。有料サービスや広告にチャレンジしたものの、十分な収入を得ることが出来ず、広告効果を測定する機能を実装していなかったので、会員数やアクセス数だけのレポートでは納得感のある費用対効果を報告できなかった。


このサービスは紆余曲折あって、2007年にクローズとなった。


2011年にオフィシャルFacebookページとTwitterアカウントが始めることになり、私はその運営に携わることになった。ルールを決め、専任チームをつくり、計画的に運営した。ソーシャルメディアは顧客とのコミュニケーションを活性化したが、かつての顧客コミュニティを求める声は内外であった。しかし私は過去の経験からなかなか乗る気になれなかった。


ソーシャルは情報の拡散に優れ、コミュニティは情報の深堀りに向いている」という。


ソーシャルでは「多様性」が許容され、コミュニティは「同質化」が促進される」のだそうだ。


企業マーケティングなら認知拡大にはソーシャルが向き、意見集約にはコミュニティが向いている。


Facebookなど「パブリック・コミュニティ」は広告媒体としての活用がメインであることに対して、顧客コミュニティは、企業が顧客との信頼を結ぶための場である。」


やはり運営こそが要であり、それはかなりのリソースが必要となる。


顧客コミュニティの第一目的は、顧客と企業の対話を通じた信頼の構築,顧客ロイヤリティの向上である。


「その上で、ファン同士が独自の集合知(より効果的な使い方や商品の推薦など)を醸成したり,そこで発生したクチコミや商品レビューによる販売促進が成り立つ。」


そう言われると魅力的であるのだが、


誰もが共感しやすく、さらに相手や事柄に連鎖しやすい流れを作り、より心が動く可能性を高めること。


なんて言われると、誰ができる?と思うのだ。さて、広告に変わって顧客コミュニティを販売促進と顧客ロイヤリティの受け皿として構築運営できるものだろうか?



WEBマーケティング】顧客コミュニティ活用術

https://matome.naver.jp/m/odai/2135634344462591901


2019/08/30