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2年ぶりにアドテックへ出かけた。アドテックは世界の主要都市で開催されるマーケティング・カンファレンスだ。アドテック東京は、2019年で11回目。アジアで最大規模の国際マーケティングカンファレンスなのだそうだ。展示会と複数のトラックで開催される講演。講演はパネルディスカッションスタイルで広告主も登壇して事例を話すので面白い。


基調講演のTikTokの話はなかなか興味深い。若者は新しい文化を作っていく。

 

若者に受け入れられるのは、

1)飾らないキャラクター

2)隙のある親近感

3)多数の素人による生声

なのだそうだ。


動画のポイントは、

1)体験を見せる

2)体験をしてもらう

3)ファンと一緒に体験を作る


以下に参加したセッションのメモを記述する。



変わるマーケティングと変わらないマーケティング


このセッションではアサヒビール、ライオン、サイバーエージェント、オイシックスが登壇。


ポイントは、

・マーケッターは、統計を学ぶこと

・リアルのタッチポイントも含めて顧客の体験設計が大切


ライオンの内田さんは上からコミュニティマーケティングを実施するように言われたが、コミュニティよりもロイヤリティの可視化 に注目して実施しシェア拡大ができた。NPSの時系列での定点観測をすることで可視化を実施した。マーケティングサイエンスが重要になっており、広告主が自ら考えて実施する会社は強い。



いま求められている顧客体験の真髄とは


アース製薬の稲積大輔さん、サンリオピューロランドの小巻亜矢さん、UCC上島珈琲の石谷桂子さん。このセッションは面白かった。


・顧客体験に秀でた企業はオーナー会社でトップダウンで進めるところが多い。創業者の思いが企業のカラーをつくっている。企業としての存在意義がゆるぎないものがあるので、それに則って、顧客に何を提供できるのかがぶれない


・サンリオでは一番の顧客は社員だという。思いが社員につながり、社員からお客様につながっていく。毎日朝礼し、毎日存在意義に触れる。しつこいようでも何度も繰り返す


・ブランドもマーケティングがつくっているように思われるが、ブランドはそれぞれの社員がつくっている。


・顧客体験をつくるのは従業員。社員が自ら顧客として自ら体感する。自分がブランドのファンになることから始めないと伝わらない


・業績が厳しいときには目先の売り上げがとらわれて、研修をやめてしまう。


小巻亜矢さんは魅力的な人だ。


https://happywoman.online/useful/komaki/



社会課題についてマーケッターができること


これも興味深いセッションだった。


・事例1Yahoo! JAPANの防災啓発(武田明子)

「全国統一防災模試」スマホコンテンツ


・事例2)キリロム工科大学(猪塚武)

日本人が作ったカンボジアのIT大学。


・事例3)フェリシモ(市橋邦弘)

「しあわせをデザインする会社」


フェリシモはサンリオと同じく、トップが理念をメッセージとして発信することが重要だという。事業性と社会性と独創性の3つの輪が重なることをしなさいが理念なのだそうだ。


それでやっているのが、「フェリシモ猫部」。日本の猫殺処分は年8万匹なので、猫好きのファンが買いたい商品に基金を付け、猫の里親探しのNPOに拠出する事業。


まだまだ他にも書ききれないが、いろいろ勉強になった。


2019/11/27