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マーケティングとは「儲けるための仕組みづくり」だろうと言う人がいる。「売り上げが上がらないからマーケティングしなければ」という人もいる。マーケティングに期待しているのはやはり売り上げ向上だ。


辞書を調べて見る。


Oxford Languagesでは、

「商品が大量かつ効率的に売れるように、市場調査・製造・輸送・保管・販売・宣伝などの全過程にわたって行う企業活動の総称。市場活動。販売戦略。」

と書かれている。


Wikipediaでは、

「企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、『顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする』ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。」


わかったような、わからないような。


そもそも、マーケティングは産業革命によって大量生産が可能になり、大量の商品を売りさばくために、市場(Market)を作ることが必要になり、産まれた手法なのだ。(Marketing


近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏らにより、1967年に「マーケティング・マネジメント」の初版が発行され、マーケティングのプロセスが提示された。


マーケティングはさまざまな学者やコンサルタントによって進化していく。


コトラー氏は2010年に「マーケティング3.0」を、2017年には「マーケティング4.0」を出し、マーケティングの変化を明快に示した。


2016年に「ワールドマーケティングサミット」でコトラー氏が来日したときに、私はコトラー氏の講演を聞き、ネスレの高岡氏との共著である「マーケティングのすすめ」をいただいた。この本では、「マーケティングとは顧客の課題を解決する価値を提供すること」と定義している。


私はこのマーケティングの定義が端的で分かりやすく、マーケティングでやるべきことを明示していると思い、マーケティングの研修などでも説明している。


お客さまが、製品やサービスなど商品を購入するのは、悩んでいたり、困っていたり、不便だったり、解決したい課題があるからだ。その課題の解決に適した製品やサービスを見つけた時に欲しいと思う。


課題のあるお客さまに、その課題の解決に、自分たちの製品やサービスが役立つことを、最適なタイミングで伝達して、買っていただくことが、マーケティングの役割なのだ。


2021/01/27